世界一わかりやすいロジカルシンキングの授業/津田 久資
つまり、「論理思考力=論理的に考える能力×論理的に考える意識」であるという大前提を理解する必要があるのです。(中略)そこで、本書では、「能力」ではなく、「意識」を変えることに焦点を当てました。――はじめにより
という訳で、「世界一わかりやすい」シリーズです。論理的に整えられている調書はやはり読み易いでしょうし、仕事を前向きに進めるためにも論理思考力は身に着ける必要があると思い手に取りました。ちなみにKindle unlimitedで読み放題です。
論理思考の位置づけ
・なぜ論理思考が必要なのか…はじめての仕事をするとき
Ex)仕事上の新しいアイデアを上司に伝えるとき、上司が変わったとき
ビジネスが変わる、変えるときに論理思考が必要となる。
・ビジネスを変えるために必要な行動①…より良いアイデアを発想すること
より良いアイデアを出すためには?←よく考えることが必要?←よく考えるとはたくさんのアイデアを出すこと
しかし、天才以外の凡人はポンポンとアイデアを思いつくことはできない。凡人がアイデアをたくさん出すときに必要となるのが、論理思考である。
・ビジネスを変えるために必要な行動②…より良いアイデアを相手に伝え、説明する
天才(=カリスマ)であれば、論理的な説明は不要。しかし、凡人であれば論理的なコミュニケーションをすることによってはじめて相手を説得できる。
論理的であるとはどういうことか
・辞書的な意味…議論や思考を進める筋道や論法
そして筋道を組み立てる際に必要となる論理の部品が言葉
・では、言葉とは何か…言葉とは境界線
Ex)虹は7色の境界線により認識できるもの。色という言葉により成立する。
境界線が多ければ多いほど、言葉は増えていく=論理を構築する部品が増える
→言葉の量を増やすことが、論理思考の素地を作ることに繋がる。
・言葉は具体的に絞り込むもの。
ぼんやりした言葉で展開する論理は、組立もぼんやりとしたものになる。
Ex)がんばって成果をあげる→がんばるとは?何を頑張る?どの程度がんばる?
成果をあげるとは?…etc
言葉の境界線をはっきりさせ、要らない部分をそぎ落とさなければ論理的とはいえない
Ex)新規活動量を2倍増やし、売上成績を10%向上させる 等
・論理的に考えるときに必要なのは、言葉を絞り込もうという意識
論理とは言葉の組立であることから、正確な言葉の意味を知っているか(語彙力)が肝。
→ではどうすれば語彙力を高められるか?
辞書をひく、言葉に対する意識を高める。
・直感やひらめきを生み出すには言葉の境界線を意識した上で、縦と横の組立を考えることが重要。
→縦の組立である「筋道」と横の組立である「複層」
・より良いアイデアを生み出すには広く発想することが必要。
→広く考えるには、考えていたところと考えていなかったところの境界線を意識する必要がある。=「軸」
→明確な言葉の境界線と考えるための軸を作ることが論理思考には必要不可欠。
・論理的に考えて、多様なアイデアを出す=勉強してアイデアを増やす+できるだけ質の高いアイデアを引き出すためのすべてを身に着ける
・書いた量=考えた量→書いた分だけ意識し、思考することが可能になる、
=書いて考えることにより、アイデアを顕在化させることができる。
・言葉を明確にして発想の幅を広げること
=対象となるテーマや課題について、「軸」と「境界線」を具体的に分けていき、多様なアイデアを知ること
・MECEでロジックツリーを作成する方法
世界一わかりやすい金利の本/上野泰也
この本は、難しい専門用語はかみ砕いて説明し、身近な具体例を織り交ぜながら「金利」という重要なマーケットについてまとめたものです。――「はじめに」より
ここ日本では低金利が続いており、銀行に勤めている身としては中々つらいものがあります。不景気の時は分かりませんが、比較的好況のタイミングだと顧客にとって銀行の違い=金利が高いか安いかの違いになっていることが往々にして多く、オーバーバンキング×マイナス金利の状況が掛け合わさって銀行間の金利引下競争が止まりません。その中で、各銀行はコンサル業務であったり手数料ビジネスであったり事業性評価だったりと各々差別化を図るべく模索している…というのが私なりの現在の銀行業界の概観です。ただ一方で、従来から銀行員が行ってきた決算書を読み審査を行う、景気の先行きについて意見交換をする等の業務は基礎として欠かせません。そういった中で、金貸商売のおまんまのタネである金利について今一度改めて勉強しようと思い、この本を手に取った次第であります。
※今回は久々に電子書籍で読みました。以下は知識として必要だと思った事項についてメモ書きとして羅列していきたいと思います。
・インターバンク市場(金融機関間の資金取引を行う市場)の中心がコール市場(銀行が短期的な資金の過不足を調整する市場)。取引の中心は「無担保コール翌日物」。無担保で資金調達し、翌日に返済する。ちなみにH31.1.29の平均レートは-0.064%となっている(引用元:http://www3.boj.or.jp/market/jp/stat/mp190129.htm)
・金融機関以外も参加できる短期金融市場で主なものは5つ。譲渡性預金証書の売買が行われるCD市場、CP(優良企業の短期社債)を売買するCP市場、TDB(国庫短期証券=短期割引国債+政府短期証券)を売買するTDB市場、債券レポ(現金担保付債券貸借取引=現金を担保として債券を貸し借りする取引)市場、債券現先市場。
・長期金利の指標は「新発10年物国債」(新たに発行された償還期間10年の国債で、発行時期が一番新しいもの)の利回り。新発の条件は直近の新発債権の流通利回り等を参考にして決められるため、新聞で書かれる「長期金利」は、一般に「新発10年物国債の流通利回り」を指している。ちなみにH31.1.29の終値は-0.005%となっている(引用元:http://www.bb.jbts.co.jp/marketdata/marketdata01.html)
・債券価格は…
需要が強い→債券価格上昇、流通利回り低下
供給が強い→債券価格下落、流通利回り低下
・長期金利の動きについて…
物価安定、金利維持の見通しが強ければ新発10年物国債が売れて価格上昇、利回り低下(=長期金利低下)
インフレ発生、金利上昇の見通しが強ければ新発10年物国債が売れず価格下落、利回り上昇(=長期金利上昇)
・旧公定歩合は現在はコール市場の上限金利の役目を果たしている。現在は「基準割引率および基準貸付利率」に名称が変更。現在は0.3%で2008年から据置になっている様子(引用元:https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/discount/discount.htm/)。コール市場の平均レートがマイナスの現状においては、あまり意味をなしていないのかも?
・将来の金利を予測するには「イールドカーブ(利回り曲線)」の考え方が役に立つ。異なる金利の水準を期間の短い方から長い方へを結び、一つの線にしたグラフ。順イールドは右肩上がりの曲線で、将来金利が上がると予想する人が多い場合に描ける。逆イールドは順イールドの逆。バブル経済崩壊後の日本、ギリシャ危機のタイミングでは逆イールド現象が発生している。ちなみに現在の日本は順イールドとのこと(引用元:https://www.nikkeiyosoku.com/yield_curve/)
・イールドカーブコントロールとは…日銀が行っている金融緩和。短期金利はマイナス金利を適用(当座預金の政策金利残高に-0.1%の金利を適用)し、長期金利は10年物国債利回りが0%程度で推移すするよう借入を行う。これによって、長短金利差を一定の範囲内に収め、長期・超長期の金利が下がりすぎるのを防ぐことができる。
・新規国債のほとんどは市中消化で買われている。入札制度を採用しており、「プライマリー・ディーラー制度」を設けており希望する大手証券会社や大口投資家を指定。発行予定額の5%以上を応札、②一定割合以上を落札するなどの義務があるものの、国債市場特別参加者会合に出席できる等のメリットもある。平均落札価格と最低落札価格の差を「テール」と言い、テールが小さければ入札は好調な結果だったと言える。もし、最低落札価格が市場の事前予想よりも大幅に低いような低調な入札結果になると、市場で債券を売る動きが活発になる可能性が高まる。そうなると長期金利が上昇する可能性が出てくる。
〇まとめ
今回は金利にまつわる知識定着が記事の目的ともあり、メモ書きとなってしまいました。
数字のカラクリを見抜け!/吉本 佳生(2011)
~内容紹介から
ビジネスはもちろん、日常のあらゆる場面で活用されている「データ」や「グラフ」。(中略)誰もが思わずひっかかってしまいがちな19のポイントから数字のカラクリを見抜く方法を説くもの。
という訳で、新書のライフハック本2冊目です。私はツイッターを多用するのですが、リツイートで「〇〇テレビで使われていたグラフがおかしい」等といったデータへの突っ込みがなされているのを見かけることがあります。指摘内容を読めば、なるほどそうやなと頷けるのですが、果たして指摘されるまで自身が気付ける自信はありません。また、金融機関職員という職業柄、お客様の決算内容や経済情報といったデータをよく取り扱うので数字に対して強くなりたいという思いは以前からありました。何かの足しになればと思い、この本を手に取った次第です。
〇本書のテーマ…作成者の恣意によって、データやグラフは様々な見せ方ができる。そういった「カラクリ」の仕組みを解説する。
本書で学べるカラクリは大まかに分類すると5点に分けられます。
- 期間
- 変化率
- もう一歩踏み込んだデータにアクセスする
- 確率
- 指標の意味をきちんと理解する
以下で整理します。
- 期間について
比較する期間がおかしければ、分析に成りえないというものです。例えば金融商品であれば、満期が10年物なのに、平均利益率のデータを直近3年でしか見ていないといったものです。また、1~3月の3か月と3~6月の3か月の比較では季節が違い(冬~春、春~夏)、季節要因のために単純比較ができないという例も記されていました。
- 変化率について
ここも比較対象の話です。例えば、年率〇%と単月〇%は違う(当然ですが)といった内容です。また、見る人によって「伸び率5%」という文字列の見え方も全く違う。例えば日本の経済成長率5%と、中国の経済成長率5%は同じ伸び率なのに受け取る印象は全く違う…といった具合です。
- もう一歩踏み込んだデータにアクセスする
本書では「もう1段階細かいデータをみる」と書かれています。私は、グラフ作成元になった原データの事を指すと読み替えても良いと思います。グラフは作成者が見せたいように作れる加工データである訳ですから、疑問符がつくのならば生のデータに当たって真相を確かめるのが騙されないために有効であると書かれています。
- 確率
本書ではサイコロを使った賭けの話が例示としてなされていましたが、確率についての基本的な知識がないと、正しい計算が出来ずに騙されてしまうということが書かれていました。確率については特に自信がありません。確率の基礎の勉強をするために、別の本を借りて読もうと思います。
- 指標の意味をきちんと理解する
「失業率」や「国際経常収支」といった指標を用いて話をする際に、その言葉の意味をきちんと理解していますか?というお話です。これは仕事にも通じる点がありますが、自分が分かっている商品・サービスでないとお客さんに説明してもしっくりきません。質問されても答えられないという情けない事態も発生します。
〇まとめ
・約220頁程度のライトな新書でしたが、動機付けには丁度よい本だと感じました。本当に数字に強くなるには別書で更に理解を深めたりしなければならないと思います。
知の整理術/pha
「知の整理術(著者:pha)」を読みました。ライトなライフハック本です。
筆者は京都大学を卒業し会社勤めをしばらくした後に退職、その後はいわゆるフリーランスとして生活を送っている方みたいです。京都大学を卒業されていながら、人生において頑張ったことがないと言い切るのは中々才能がないと出来ない事だと思いますが、そういったことを可能にしたのも本著にある整理術を活かしたからなんでしょう。
以下で、本書の大まかな構成を紹介します。
本著の主軸となるテーマは「勉強を楽しむやり方を身に着ける」ということ。
勉強を楽しむために必要なマインドとしては、
①「習慣の力」でやる
②「ゲーム感覚」でやる
③「楽しいことだけ」やる
の3点が挙げられている(本文ママ 本著5頁)。要するに受験勉強や会社から迫られて行う資格勉強のような必要に迫られた勉強ではなく、豊富な知識で豊かな人生を作るための勉強をしていこうというのが本著のモットーなのだと思います。
上記のマインドをより具体化した方法(知の整理術4大メソッド)が序章に記載されており、①デジタルとアナログ②書くと進む③情報よりメタ情報④制限は力の4つが挙げられています。
そしてその後に「(知識を)インプットする技術」「(知識を定着させるためのアウトプットの技術)」「(定着した知識を活かしたアイデアを具現化するための)モチベーションとスケジュールの技術」の解説に入ります。そして、最後に付録として読むだけで教養が身につくとされる漫画の紹介がなされています。
以上が、本書の構成になりますがその中で私がこれから活かしていこうと思ったライフハックを書き残していきます。
・知の整理術 4大メソッド
これは②書くと進むと③情報よりメタ情報の2点の印象が大きかった。個別に整理したいと思います。
②書くと進むについて
書くことが勉強上大事なのは次の2点です。
人間は言語を使える動物であり、対象・問題を言語化することにより問題解決を図ってきました。分かりやすく言えば、感情の分別が例に挙げられると思います。抱いている感情が怒りなのか悲しみなのか何なのか、それが分からなければ適切なケアはできません。言語化は問題解決上非常に重要なステップになっています。本著ではそれを「アナログで連続的な世界を言葉でデジタル化する」と表現しています。
2点目は、書くことにより忘れてしまっても後で読み返せる点です。私は本書の内容を自分の言葉に直しながら(そのままパクッてしまってる部分もありますが)、ブログを書いているため、後日内容を振り返ることができます。
以上が②書くと進むについてです。
③情報よりメタ情報について
情報を「無味乾燥な状態」(辞書やWiki等に掲載されている意味そのまま)で知っているよりも、周辺の情報(辞書なら例文)を知っていないと情報を自由に使いこなすことは難しいと本書では説明されています。何かを学びたいならそれに詳しい人と仲良くなったりそんな人をツイッター上でフォローしてみる等、無味乾燥ではなく色がついた情報として活用する人と接することで、自分でも使える情報になっていくのだと思います。
・インプットする技術
「知識をかきまぜる」ように読む、という手法が紹介されていました。これは何かと申しますと「正確すぎる記憶」ではなく「曖昧な記憶」として知識化するという手法です。具体的には、その情報について学べる本を読むのであれば違う著書のものを3冊読み、それぞれの著者毎にどういう観点を持っているのかということを第3者的に見ることが大事ということのようです。「この人がAと言っていたからこれについてはA」ではなく「Aという人もいたしBという人もいた。この件には色々な側面がある」という認識として留めおいた方が良いということですね。
・アウトプットする技術
「ブログを書くと頭がよくなる」という小見出しでアウトプットのためにブログを活用するという手法が紹介されています。あまりブログブログ言うとイケ〇ヤさんみたいなので控えますが、知識の整理にブログに書きなぐるというのは非常に感銘を受けました。自分は今まで読んで終了していた人間だったので、この本を機会にブログでも始めたというのが本音です。
・モチベーションとスケジュールの技術
特に感銘を受けた点はありませんでした。
・まとめ
私がブログを始めようと思った切欠になった本でもあり、まずはアウトプットを頑張ってチャレンジしてみようと思いました。こういった本のまとめを書くと疲れますね。もう何もタイピングしたくありません。それではさようなら。
ブログ開設の理由
こんばんは。冬はタラが美味しいと申します。とある金融機関に勤めています。当社に勤めて早や4年経ちます。
今まで私はSNSと言うとツイッターとフェイスブックの2つ利用していたのですが、今回初めてブログを立ち上げようと思い至り、はてなブログにて開設いたしました。
ブログ開設に至った理由は主に2点ございます。
1点目は文章力を向上させるためです。金融機関職員という職業柄もあり、社内文書を作成する機会に恵まれているのですが、金融機関の文書は定型文もしくは前回記載内容の使いまわしが多く、日々それほど頭を使って文章を構築することは多くありません。ただ、ここぞという文書(いわゆる稟議)を書く際には融資判断の決裁を貰うためにお客様の事業・財務内容を分かりやすく伝える必要があり、文章の構成などに頭を捻る必要があります。私はそのような稟議作成の場面で上司から「何書いてるのか分からん」という評価を下されることが多く、このままでは生きていかれないのではないかという不安を強くしておりました。そこで、ブログを利用して文章力向上に繋げようと考えた次第です。
2点目は記事を通して世の中の経済活動にもっと目を向けるためです。これまた職業柄の話になりますが、私は毎朝某経済新聞に目を通すことが義務付けられています。ただ、眠気眼で流し読みする程度に終わってしまい、いまいち日々の仕事に活かせていません。ブログを通して気になった記事の調査報告や解説等も行えれば、インプットとアウトプットのバランスが取れることで自身の腑抜けた脳みそへの定着も図れるのではないかと考えています。
上記2点の目的を達成するために、本ブログでは私が趣味としている読書記録の活用と某経済新聞記事を題材にしていきたいと考えています。
ですが、何分忍耐継続その他諸々のパワーが不足しているものですからいつまで続くかわかりません。継続は力なりということで毎日更新は無理でしょうが最低でも1ヶ月に1回は更新できるように頑張ります。